FC2ブログ

Dusk of the Black Hole

現代詩─ 文字の谷間の饒舌な次元。詩が紡ぐ異次元への出入口。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

私はひとり

肩を上下させながら静かな息
背中を向けて眠る君の背中
そこに生えた白い羽根に
手を伸ばしても届かず
ちりじりに消えて霞
いつも触れられず
朝目覚めるとき
傍に君はない
私の小鳥よ
君はもう
夜の幻
白い
夢            
            闇
           新月
          雲間も
         静かな夜
        無言のまま
       私を見つめて
      唇を重ねた日を
     狂おしく反芻する
    重ねた夜を数えても
   何かが足りないままだ
  いつの間にか輝く両目は
 未熟な私を射抜くに充分で
君には単なる日常であろうと
 私にはいつまでも続く喜び
  君の気まぐれも我が儘も
   愛おしく胸にいだいて
    遠い未来も喜びの中
     小さな痛みだった
      夜毎結ばれては
       キスに溺れた
        ひとときの
         苦い舌を
          あまく
           残す
            朝
過去を縫合しても
前には戻らない
それでも私は      
君を解剖し心の源に手を伸ばす
項、肩、背中、腰、尻、太腿から
脹ら脛、足首そして爪先までの
皮を剥いで筋肉を押し広げて
神経を掻き分け開胸器で開く
脈打つ心臓君の中心に私の手
指先にやっと手に入れた私だけの君
握ってしまえばもう放さないよ
長い夜を切り裂き悪い考えは既に放り投げた
白い肌の下に青い血が流れて赤になる
死に向かいうっすらと汗がにじみ
悲鳴に似た声も全て覆い被さって
静けさに満ちてゆく
       
私はひとり    君を解剖する
   白々と明けるその日まで
    そして全て奪いたい
      君の謎全てを
       今夜も              
私は         この手に
メスを持つ

ウエブ女流詩人の集い 蘭の会 月例6月投稿作品



にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

にほんブログ村 ポエムブログ お題詩へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

現代詩 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<赤い夜に | HOME | たま>>

この記事のコメント

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。